失敗しないカフェの名前とは?決め方で集客率が変わる!
カフェの名前を決める際、重視すべきポイントをご存知でしょうか。
1度つけたカフェの店名を変更すると、余計なコストがかかるうえ、せっかくの固定客を逃すきっかけにもなり兼ねません。
そこで今回は、失敗しないカフェの名前の付け方について解説します。
カフェの名前を決める際の注意点6つ
自分のカフェだからと言って、自由に好きな名前を付けて良いという訳ではありません。
まずは、最初に押さえておくべき基本ルールについて把握しておきましょう。
カフェの店名には使えない文言(フレーズ)がある
カフェの名前を付ける際の基本ルールとして最初にご紹介するのは、「会社法第7条」に関する規制です。
会社でない者は、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
引用:会社法 第7条
つまり、お客様が「会社」と誤認されるような文言はカフェの名前として使用が認められていないのです。
さらに、「銀行法第6条」と「保険業法第7条」を踏まえると、下記の全てがカフェの名前としてNGとなります。
▼カフェ店名のNG例
- 〇〇株式会社
- 〇〇有限会社
- 〇〇法人
- 〇〇銀行
- 〇〇保険
将来カフェの名前を「法人名」にするルール
「繁盛して店舗数が増えたらカフェの名前をそのまま法人名にしたい!」と考えている方も多いでしょう。
しかし、将来カフェの名前を「法人名」にする場合はいくつかのルールを守らなければなりません。
▼会社名(商号)の基本ルール
- 法務省HPに掲載されている通り、使用できる文字に制限がある
- 「株式会社」や「合同会社」などの文言が必要
- 「同名」の社名は「同一住所」で使用できない
前章で解説した通り、カフェの店名そのものに「株式会社」などは使用できません。
将来的に法人化を目指している場合は、カフェの名前をベースにしつつ上記のルールに沿った商号にしましょう。
商標登録されているカフェの名前は法的トラブルの元
すでに他のカフェが商標登録している名称は、法的トラブルの要因となる可能性があります。
もちろん、たとえ他のカフェと名前が被っていても必ずしも訴えられるとは限りません。
しかし、「商標権侵害」を根拠に店名変更依頼書が送付されてきた場合、法的な権利は相手方にあります。
商標権はオープンした日付ではなく、先に登録したカフェに権利が与えられているのです。
まずは、「特許情報プラットフォーム:J-PlatPat」で商標登録の有無をリサーチし、カフェの名前が決まったら忘れずに登録を済ませておきましょう。
カフェの名前変更にはコストが掛かる
商標権侵害で訴えられた場合はもちろん、集客の改善を目的に名前を変更するカフェも少なくありません。
ただし、カフェの名前を変更する場合は様々なコストが発生することを理解しておきましょう。
▼カフェの店名変更で発生する費用
- 看板
- メニュー
- DM、チラシ、ホームページ、SNSなどの宣伝媒体
- お客様や仕入れ先など、関係者へ変更を周知する費用
- 名刺
変更時のコスト・手間・時間の浪費を避けるためにも、カフェの名前はあらかじめ厳選しておくべきなのです。
カフェの名前を決めるポイント7つ
では早速、カフェの名前を決める際の具体的なポイントについて見ていきましょう。
ここでは、7つのポイントに分けて解説します。
▼カフェの名前を決めるポイント
- ドメインは取得できるか?
- スマホの検索で上位表示されるか?
- 長すぎずシンプルで覚えやすい名前か?
- 読めない・間違っている名前になっていないか?
- 短縮・省略ができる名前か?
- ストーリー性があり由来が伝わる名前か?
- コンセプトを一致している名前か?
ドメインは取得できるか?
多くのカフェが、集客ツールとしてホームページを開設しています。
HPのURLアドレスのことを専門用語で「ドメイン」と言い、カフェの名前を紐づかせるのが理想的です。
HPを見てくれたお客様が、「あっ、あのカフェだ!」と連想できるほど集客につながります。
ただし、ドメインは世界中で使われているうえ早いモノ勝ち。
「店名.com」というドメインが使用済みであれば、「店名〇〇.com」のように本来であれば必要ない文字をプラスする必要があるのです。
使用できるドメインの調べ方はとっても簡単!下記のようなサイトで検索してみましょう。
▼ドメインの提供サイト
スマホの検索で上位表示されるか?
実店舗とは言え、カフェの集客ツールにインターネットやSNSが有効なのは周知の事実です。
特に、ちょっとしたスキマ時間に訪れる機会が多いカフェは、スマホでの検索結果が重要となります。
そこで問題となるのがスマホのSEO!お客様がgoogleやyahooで「カフェ」というキーワードを検索された時、複数のカフェが使っているありきたりな名前では、なかなか上位に表示されません。
▼検索結果で上位表示させる方法
- 他のカフェと被らないユニークな名前にする
- カフェの名前に「コンセプトを連想させるフレーズ」や「住所・エリア」などをプラスする
単体で上位表示が狙えるユニークな名前が思いつかない場合は、他のキーワードをプラスしても少ない文字数で表現できるよう、短い店名にしておくのがコツです。
長すぎずシンプルで覚えやすい名前か?
失敗例で多いのが、長すぎて複雑な名前です。
オーナーとしてカフェの名前に凝りたくなるのは理解できますが、認知度としては考え物。
むしろ、シンプルなほど一度聞いただけで覚えてもらえる可能性が高いのです。
印象的な店名はGoogleマップでも上位表示されやすく、クリック率・来店率アップにも繋がります。
読めない・間違っている名前になっていないか?
フランス語やイタリア語などの店名は、他店と被りにくくオシャレな印象効果があります。
とはいえ、日本人にとっては読みにくく覚えにくいのが難点。
中にはスペルや意味が間違っていて、外国人観光客に笑われるケースもあるようです。
▼カフェの名前として恥ずかしい単語
- ラピュタ:スペイン語で「売春婦」
- petit pet:フランス語で「小さいおなら」
- crape:フランス語で「ヒキガエル」
ちなみに、お菓子のクレ-プを意味する単語のスペルは「crêpe」が正解です。
若い世代に限らず、短縮や省略ができるかどうかもカフェの名前として大切なポイントです。
▼短縮・省略できる名前のお手本
- スターバックス:スタバ
- マクドナルド:マック、マクド
- ミスタードーナツ:ミスド
上記は誰もが知っている世界的な成功例ですが、その効果は「覚えやすさ」や「認知度」だけでなくSNS上での「拡散力」に直結しています。
ストーリー性があり由来が伝わる名前か?
タウン誌や地方のTV局など、取材を受けた時に必ず聞かれるのが店名の由来です。
この時、「フランス語の発音が気に入ったから」「なんとなくカフェのイメージと合っていたから」といったあやふやな答えでは話題性に欠けてしまいます。
その点、カフェの名前にしっかりとしたストーリー性があり由来を明確に説明できる場合は、好意的に取材してもらえるだけでなく、見ている方に「来店してみたい!」と思ってもらえるのです。
コンセプトを一致している名前か?
カフェの名前は、コンセプトと一致させておくのが連想的です。
あえてギャップを狙う手法もインパクトがありますが、下記のように極端なケースはお客様の期待を裏切る結果になってしまいます。
▼カフェの名前とコンセプトが一致していない失敗例
- 雑貨カフェなのに猫カフェと付ける
- ブックカフェなのにスイーツの単語をメインに使う
カフェの名前を決める際の考え方5つ
ここからは、カフェの名前を決める方法について5つのアイデアをご紹介します。
ショルダーネームでジャンルを特定
お店の肩書を「ショルダーネーム」と言い、コーヒーショップの場合は「カフェ」「喫茶店」「珈琲専門店」などがこれにあたります。
「〇〇カフェ」「喫茶店〇〇」など、店名の前後にショルダーネームを含めることで得られるメリットは絶大です。
▼カフェの名前にショルダーネームを含めるメリット
- 何を提供しているお店か、一目で伝わる
- インターネット検索に有利
コンセプトを連想させるキーワードを入れる
次にご紹介するのは、たった一度カフェの名前を聞いただけでコンセプトが伝わるよう、関連するキーワードを含める方法です。
「カフェ」というKWに加え、お客様がネットで検索する時に入力するであろう単語、つまりコンセプトを連想させるKWをプラスしてみましょう。
▼コンセプトとキーワードの組み合わせ例
- 犬カフェ:ペット/触れあい/ドッグスイーツ
- 雑貨カフェ:アジアン雑貨/ハワイ/ハンドメイド
単語の「組み合わせ」や「入れ替え」
2つか3つの単語を組み合わせた造語をカフェの名前にするのも効果的な手法です。
▼参考例
- 組み合わせ例(ブリヂストン):創業者「石橋」氏の「stone + bridge」
- 入れ替え例(海洋深層水Miu):海の英語表記「umi」の逆読み
もともとある単語を組み合わせたり読み方を入れ替えたりするだけで、世界で1つだけの造語が完成し、ユニークなカフェの名前となります。
頭文字を繋ぎ合わせる
魅力的なカフェの名前とは、「印象的で記憶に残るユニークさ」「シンプルで短く覚えやすい」という2点が必須条件です。
その反面、ストーリー性やコンセプトに込めた拘りまで表現しようとすると、どうしても長い店名になりがち。
そんな時は、カフェの名前に含めたいキーワードを全て書き出し、頭文字だけを繋ぎ合わせてみるのも賢い方法です。
▼頭文字を繋ぎ合わせた成功例
- docomo:Do Communication with a Mobile phone
- スマップ:Sports Music Assemble People
- モスバーガー:Mountaion(山)、Ocean(海)、Sun(太陽)、バーガー(hamburger)
文字表記を客層に合わせる
ペルソナ(客層)に合わせてカフェの名前に使う文字表記を工夫するのも、重要なマーケティング要素です。
性別や世代によって好まれる文字表記を使い分けてみましょう。
▼客層に合わせた文字表記
- 学生など若年層:「○○カフェ」「わんこカフェ」など、カタカナやひらがなでキャッチーに
- 女性客:「〇〇cafe」など、短い英語やフランス語でオシャレに
- 男性や年配:「自家焙煎珈琲〇〇」「珈琲専門店〇〇」など、重厚感を強調
まとめ
カフェの名前は、思い入れが大きいほど拘りたいもの。
初めてカフェをオープンするオーナーであれば、尚更でしょう。
とはいえ、優先すべきは「覚えやすさ」や「集客率」!どんなにこだわったところで、お客様に「行ってみたい!」と思ってもらえなければカフェの名前として魅力的とは言えません。
まずは、本記事でご紹介した注意点とポイント、考え方を踏まえたうえで後悔しないネーミングを厳選してみましょう。
当校では、カフェのオープン準備からトータルなサポートを行っています。
ご興味のある方は、公式HPをご一読ください。