カフェ・喫茶店の集客方法15選!新規顧客とリピーターでは宣伝対策が違う?
目次
「カフェの集客力は値段と味しだい」と誤解していませんか?
中には、「安くしないと集客できないのでは?」「立地が悪ければ打つ手がない!」と誤解されているカフェオーナー様も少なくありません。
そこで今回は、集客に成功しているカフェや喫茶店の特徴を踏まえたうえで、新規顧客とリピーターそれぞれに対する集客方法についてご紹介します。
集客力が高いカフェの特徴
常にお客さまで座席が埋まっているカフェや喫茶店には、ある共通点があるのをご存知ですか?
その共通点こそ「マーケティング戦略」!カフェや喫茶店におけるマーケマーケティング戦略は、出店エリアや優れたサービスなどに匹敵する集客スキームなのです。
カフェや喫茶店の集客力は立地や投資している資金によって左右されがちですが、誰もが一等地に店を構えることはできません。
その点、人通りの少ないエリアであろうと資金不足であろうと、条件を問わず全てのカフェ経営に導入できるのがマーケティング戦略の強みです。
ちなみに、「単価を安く設定しているから」または「美味しいコーヒーを提供しているから」という理由だけで集客に成功しているカフェは、ごく一部のレアケースに過ぎません。
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カフェ経営で集客に失敗する原因
集客が上手くいかない原因を理解していなければ、適切なマーケティング戦略は立てられません。
そこで、お客様で賑わっているカフェとは対照的に、いつも閑散としているお店の特徴をピックアップしてみました。
▼カフェ集客の失敗原因
- ターゲットが絞れていない:学生とサラリーマンでは、メニューの好みなどユーザーニーズが異なる
- アプローチを使い分けていない:新規顧客とリピーターとでは、来店の動機づけが異なる
- 自店舗の魅力が伝わっていない:コンセプトや看板メニューなど、自店舗ならではの「ウリ」が貧弱
- ブランド(店名)の知名度が低い:グルメサイトへの登録やチラシの配布など、広告宣伝が不十分
上記の4点は、いずれもカフェ経営におけるマーケティング戦略の「要」です。
失敗原因が1つでもあてはまっている場合は、どんなに優れた宣伝方法を駆使しても高い集客効果は期待できません。
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集客の事前準備5つ
集客のノウハウは8割が宣伝スキームですが、具体的なアピール戦略を実行する前に下記4点について準備しておきましょう。
▼準備すべきこと
- 集客できていない原因をピックアップする:商品のユーザーニーズが低い/接客クレームが多いなど
- ターゲットを明確にしておく: 来店して欲しい人より、実際の客層(性別・世代など)を重視する
- ユーザーニーズを把握する:売上上位メニューを洗い出し、より充実させるべきジャンルを突き止める
- 自分のお店の魅力を明確にしておく:名物メニューやグッズ販売など、他店にはない特色
- リピート率の調査:月間のリピート顧客数÷累計の新規顧客数×100
「初回利用率」と「リピート利用率」の目安は?
カフェの集客方法は「新規顧客」か「リピーター」かによってアプローチの仕方が微妙に異なり、食事を前提にしない場合のリピート率は40%前後が目安と言われています。
では、新規顧客とリピーターのどちらを集客のターゲットにすべきなのでしょか。
この点を見極めるために参考となるのが、HOT PEPPERグルメ外食総研が行った「飲食店リピート実態&要因調査」です。
あくまで「食事を伴う利用」という前提ではあるものの、下記のような結果が報告されています。
▼利用率の比較
カフェ・喫茶店 | 和食料理店 | 中華料理店 | ファストフード | 総合 | |
---|---|---|---|---|---|
初回利用率 | 15.9% | 32.7% | 21.2% | 4.5% | 22.5% |
リピート利用率 | 84.1% | 67.3% | 78.8% | 95.5% | 77.5% |
引用:株式会社リクルートライフスタイル(2018年9月25日時点)
上記のリサーチ結果を踏まえ、注目すべき特徴をピックアップしてみました。
▼カフェ・喫茶店の利用率に関するポイント
- 初回利用率よりもリピート利用率の方が圧倒的に高い
- 目的型来店率が、全平均を上回っている
つまり、いかに新規顧客をリピーターに育てられるかが集客力アップの肝であり、繰り返し通ってもらうには「どうしても来店したい理由」を提供する必要があるのです。
ちなみに、来店する際に重視する理由として最も多かったのは「料理・メニュー」でした。
引用:株式会社リクルートライフスタイル(2018年9月25日時点)
「新規顧客」の集客力をアップさせる宣伝方法
カフェ集客のプロセスは、「新規顧客を獲得する第一段階」と「リピーターに育てる第二段階」で成り立っています。
この段落では、はじめて来店されるお客様を増やす方法として、実際に効果があった11種類のスキームについてご紹介しましょう。
▼新規顧客の集客方法
- お客様を引き寄せる店舗づくり
- 店前看板を設置して通行人を呼び込む
- ターゲットに合わせたメニュー作り
- オリジナルの看板メニューを作る
- Googleマイビジネスを使ったMEO対策
- SNSを活用したモバイル戦略
- ホームページやブログによるSEO対策
- オンライン広告を出す
- グルメ系のポータルサイトへ登録する
- 口コミ系のポータルサイトへ登録する
- チラシの配布・ポスティング
- 体験型イベントを定期的に開催する
お客様を引き寄せる店舗づくり
お客様に「このカフェに入ってみようかな…」と思ってもらうには、「外観」と「内装」に分けた店舗づくりがカギとなります。
▼初めてでも入店しやすい外観
- 裏手も含め、エリア内にゴミが散乱していないか?
- 外観の塗装が剥がれているなど、怪しい印象を与えていないか?
- 街灯が消えている、玄関マットが汚れているなど設備に不備はないか?
入店したことのないカフェを利用するきっかけは、ほとんどが「通りすがり」です。
だからこそ外観は初めてでも入店しやすいよう、「清潔感」と「親しみやすさ」を演出することで集客の成功率が上がります。
▼客層やコンセプトにマッチした内装
- 壁紙の色合いや家具のテイストなど、店内の雰囲気は統一されているか?
- ターゲット層の好みをリサーチしているか?
- 分煙や子連れスペースなど、客層のニーズに対応した設備などを備えているか?
店前看板を設置して通行人を呼び込む
通りすがりの人に足を止めてもらうには、出入り口の歩道に設置する店前看板がおすすめです。
窓ガラスに取り付ける看板は、すでに入店されているお客様の視界を遮るのが難点。
これに対し、横から見るとアルファベットのAの字に見える折り畳み式の「A型看板」なら、限られた店舗前スペースでも無理なく設置でき、両面に記載しておけば左右どちらからでも通行人にも見てもらえます。
▼集客効果の高い看板
- 店名だけでなく、キャッチコピーも加える
- 「本日のメニュー」を記載する
- 両面に記載し、建物と垂直に設置する
- 遠くからでも見えるよう、デザインを周りの景色に同化させない
ターゲットに合わせたメニュー作り
カフェで提供されている軽食は、どうしてもメニューがありきたりになりがちです
そこで注目したいのが、ターゲットごとに異なる好みの傾向!客層にピンポイントで合わせたメニューが提供できれば第一印象が格段にアップするだけでなく、リピーターの獲得にも繋がります。
▼ターゲット別のおすすめメニュー
- 男子学生やサラリーマン:ハンバーグなど、ボリューム重視のワンプレートメニュー
- 女子学生やOL:品数が多いセットメニュー、デザートの種類を増やす
- 主婦:メイン、サラダ、デザートなどを選択できる組み合わせメニュー
- 子ども連れ:ハーフサイズ、小さなゼリーや玩具などのおまけを付ける
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オリジナルの看板メニューを作る
飽和状態にあるカフェ業界で集客を成功させるには、同じエリア内の競合店との差別化が欠かせません。
ライバル店と差別化を図る方法として、今すぐ始められて低予算で済むのが「看板メニュー作り」!目玉商品は存在自体が絶大な広告宣伝になります。
お店のコンセプトに合わせるのはもちろん、ターゲット層のニーズにマッチさせるのがコツです。
▼▼看板メニュー作りのヒント
- 男性客:コスパの高いボリューミーなメニュー
- 女性客:SNSにアップしたくなるような、フォトジェニックなメニュー
Googleマイビジネスを使ったMEO対策
MEO(Map Engine Optimization)対策とは、ローカル検索で上位表示させるためのSEO手法です。
別名である「ローカルSEO」と言った方が、馴染み深いかもしれません。
スマートフォンやタブレットで「地名」+「業種またはサービス名」を入力して検索すると、画面に表示された地図上に店舗の所在地がマッピングされる仕組みをローカル検索と言い、代表ツールとしてGoogleマイビジネスが挙げられます。
Googleマイビジネスとは、情報の提供者と閲覧者の両方が無料で利用できるローカル検索サービスです。
Googleマップ上に下記の項目が表示されるので、いわゆる「一見さん」のモバイル集客ツールとして多くのカフェオーナーが登録しています。
▼Googleマイビジネスで表示される項目
- 店名
- 店舗の写真
- 住所
- 電話番号
- 営業時間
- 公式Webサイト
- 利用者の口コミ評価
SNSを活用したモバイル戦略
SNSを使った集客方法は、カフェなどの飲食店に限らず全ての業種で高い効果が見込めます。
成功の秘訣はターゲットにピンポイントでアピールできるかどうか!「ユーザー層」と「強み」をマッチングさせるのがコツです。
月間ユーザー数 | 主なユーザー層 | ユーザーの傾向 | 強み | |
---|---|---|---|---|
LINE | 8,600万 | 10~60代/男女比1:1 | スマホ初心者から上級者まで幅広い | 国内№1の利用者 |
4,500万 | 10〜30代/男女比1:1 | ユーザーの利用年数が長い | 情報の拡散力、流動性が高い | 3,300万 | 10〜40代/男女比2:3 | 美意識が高い女性が多い | 視覚的効果が高い |
2,800万 | 20〜50代/男女比1:1 | 実名登録者、40代以上が多い | コミュニティ作りができる | |
TikTok | 950万 | 10〜20代/女性65%/男性35% | 音楽+動画のコンテンツを好む若年層が多い | 学生の集客に適している |
YouTube | 6,200万 | 10~20代90%以上/30~40代80%以上/50代64%/60代32% | 年齢層が幅広い | 焙煎方法などコアな情報発信に適している |
ホームページやブログによるSEO対策
SEO対策(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)とは、ホームページやブログがより多くの人に見てもらえるよう、GoogleやYahoo!といった検索エンジン上で上位表示させるための施策です。
ホームページやブログに対し、MEO対策(ローカル検索)や各種SNSと比べて「古い集客ツール」というイメージをお持ちの方も少なくありません。
そのため、「Googleマイビジネスだけで充分なのでは?」「SNSより集客効果が薄いのでは?」と思われがちですが、意外と軽視できないのが下記のようなメリットです。
▼公式HPやブログのメリット
- お客様に安心感を与え、信頼性がアップする
- Googleマイビジネスとの連携が可能
- 検索エンジン上で上位表示されると、MEO(ローカル検索)にもポジティブに作用する
- オーナーの「人となり」や「思い」が伝わり、親近感が増す
ホームページやブログを作成する際は、他の集客ツールでは伝わりにくい下記の項目を記載しておきましょう。
▼公式HPやブログに記載すべき項目
- カフェオーナーを目指した理由
- お店に対する思い入れ
- 店名の由来
- コーヒーやメニューに対するこだわり
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オンライン広告を出す
WEB上で広くアピールできるオンライン広告は、ユーザーの目に留まりやすいのが最大の強み。
SNSや動画であれば、特定のジャンルに強いインフルエンサーに広告宣伝を依頼するのも一つの方法です。
▼オンライン広告の種類
- リスティング広告:検索の上部、下部、左右に表示
- ディスプレイ広告:検索エンジンの提携先サイトに表示
- SNS広告・動画広告:プラットフォーム内に表示
ただし、下記のようなデメリットがあるため最初から大金を投資するのは避けた方が良いでしょう。
▼オンライン広告のデメリット
- コストが発生する
- 特定のエリアだけに限定して発信するのが難しい
- 一時的な集客効果は高いが、長期戦略には不向き
まずは少額で試してみて費用対効果をリサーチする、またはイベント開催時のみ利用するのがおすすめです。
グルメ系のポータルサイトへ登録する
認知度の向上はもちろん、継続的な集客に欠かせな「リピート促進」や「利用者の分析・管理」までをサポートして欲しいなら、グルメ系ポータルサイトへの登録が近道です。
中でもおすすめなのが、日本屈指のユーザー数にもかかわらず無料で登録・掲載が可能な下記3サイト。
ただし、予約機能の使用や営業担当のコンサルティングが受けられるプランは有料になっていますので、事前に確認しておきましょう。
▼グルメ系ポータルサイトの種類
- 食べログ:日本最大級のグルメポータルサイト(月間1億人以上)/無料登録でもクーポン発行が可能
- ぐるなび:リピート促進や年間販促計画もサポート/基本加盟料0円のスタートプランあり
- ホットペッパーグルメ:集客、宣伝、予約の全てをサポート/無料掲載プランあり
口コミ系のポータルサイトへ登録する
「グルメ志向が高い人にアピールしたい!」と言う方は、信憑性の高い実名制の口コミ系ポータルサイトへの登録がおすすめです。
特に下記の2サイトは世界各国で展開しているため、インバウンドを意識した集客に向いています。
▼実名制の口コミ系ポータルサイト
- Retty(レッティ):世界41カ国で展開/掲載自体は無料
- Yelp(イェルプ):世界32カ国で展開/登録掲載自体は無料
ただし、即日予約などのオプション機能を使用するには有料会員として登録しなければなりません。
チラシの配布・ポスティング
出店エリアに特化した集客を目指しているなら、昔ながらのチラシの配布やポスティングを試してみましょう。
開業のお知らせはもちろん、季節の食材を使った期間限定メニューの告知にも有効です。
ただチラシを配布するのではなく、初回クーポンを添えたりタイムサービスの時間帯を記載したりすることで、お得感を演出しておきましょう。
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体験型イベントを定期的に開催する
ハロウィンやクリスマスに合わせたメニューを提供しながらイベントを企画するのも効果的な集客方法ですが、開催時期が競合店と被るのが難点。
そんな時は、ラテアート講座や家庭でもできる美味しいコーヒーの淹れ方などをレクチャーする「体験型のイベント」を定期的に開催してみてはいかがでしょうか。
他店とは開催時期が被らないうえ、コアなファン作りにも繋がります。
馴染み客と一緒にお友達が参加した場合は、新規顧客まで獲得できて一石二鳥です。
「リピーター」の集客力をアップさせる宣伝方法
新規顧客に対する集客方法はリピーターの獲得にも役立ちますが、それだけでは十分とは言えません。
ここからは、リピーターに特化して集客力をアップさせる方法についてご紹介します。
▼リピーターの集客方法
- SNSの相互フォローで親近感アップ
- LINE@によるデジタル集客
- スタンプカードやポイントカードでお得感をアピール
SNSの相互フォローで親近感アップ
TwitterのリツイートやInstagramのストーリーズなど、簡単に相互フォローやシェアができるSNSならではの便利機能を使わない手はありません。
フォローバックやシェアをすることで、お客様は「マスターも見てくれているんだな」と親近感が増し、来店サイクルが短縮される可能性が高まるのです。
▼SNSで親近感をアップさせる方法
- お客様のフォローには、必ずフォローバックする
- お客様の投稿に、「いいね」を付ける
- お客様が投稿した来店時の画像をシェアする
LINE@によるデジタル集客
LINE@とは、公式アカウントを開設することで友達登録してくれたお客様に対し、下記のようなサービスが提供できるようになる店舗系ビジネスに特化した便利ツールです。
▼LINE@のメリット
- デジタルクーポンやポイントカードの発行が可能
- お客様と個別にチャットができる
- お客様から直接お問い合わせが受けられる
- メルマガのような、複数のお客様に対してアナウンスを一斉配信できる
月額固定費が無料のプランも用意されており、多くのカフェオーナーがリピーターの集客に役立てています。
スタンプカードやポイントカードでお得感をアピール
お客様に「また行こうかな…」と思ってもらうには、「お得感」を演出するのがコツ。
だからこそ、ほとんどのカフェがスタンプカードやポイントカードを発行し、再来店の動機づけにしているのです。
一定量が貯まったら、「食後用のミニデザートが1回無料になる」「ランチが20%OFFになる割引券がもらえる」といった、特典を用意しておきましょう。
まとめ
カフェ業界が飽和状態なのは事実ですが、必ずしも「安くしないと集客できない」という訳ではありません。
たとえ条件が芳しくなくても、マーケティング戦略しだいでいくらでも集客は可能なのです。
今回の記事を参考にして、ぜひ効率的な集客を試してみてください。
なお、当リライブフードアカデミーのカフェコースでは、集客のノウハウもカリキュラムに含まれています。
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