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ベーカリー業界のいまを読み解く

コスト高の時代でも、リライブ卒業生のパン屋が続いている理由

原材料費、人件費、家賃――。
ここ数年で、ベーカリー業界を取り巻くコスト環境は大きく変わりました。小麦やバター、油脂類の価格上昇に加え、電気・ガス代といったエネルギーコストも高止まりし、人手不足による人件費の上昇、さらに立地競争による家賃の高騰も重なっています。こうした状況から、「パン屋はもう厳しいのではないか」と感じる方が増えているのも無理はありません。

しかし、業界全体を冷静にデータで見てみると、少し違った景色が見えてきます。
帝国データバンクが公表した「『パン屋』の倒産動向(2025年1–10月)」によると、全国のパン屋の倒産件数は2025年1~10月で15件にとどまり、前年(26件)から約4割減少しました。原材料費・人件費・光熱費の上昇が重なる状況でも、倒産件数は前年より大きく減っており、前年まで増えていた傾向はいったん落ち着いたといえます。

 

 

この背景として同レポートでは、インバウンド需要の回復やSNSを活用した情報発信に加え、米の供給不安や米価の上昇を背景に、主食としてパンを選ぶ機会が増えたことが追い風になったと整理されています。総務省の家計調査をもとにした推計では、2025年の二人以上世帯におけるパンの消費額は、1日あたり換算で114円と、コロナ前に比べて約1割増加しています。特に調理パン(惣菜パン)は約3割増と大きく伸びており、パンが朝食だけでなく、昼食や軽食としても選ばれる機会が増えていることが分かります。

つまり、パン屋の倒産件数が激減しているのは、単なる一時的な回復ではなく、「パンの食べられ方が変わり、需要の形が広がっている」ことが大きな要因だといえます。ただし、ここで注意したいのは、この流れがコメ不足や価格高騰という一過性の要因だけに支えられているわけではないという点です。帝国データバンクの分析でも、パン屋の約7割が黒字を確保しており、その多くが価格設定の工夫や付加価値の向上によって収益構造を改善していることが示されています

それでも、ベーカリー業界が決して楽な業界でないことに変わりはありません。コスト構造が厳しい中で生き残るためには、「パンが売れているから大丈夫」「今はパン食が増えているから安心」といった短期的な追い風に頼るのではなく、長く続けられる経営の形を作ることが不可欠です。

この点で、リライブフードアカデミーの卒業生が営むベーカリーには、明確な共通点があります。それは、パン作りが好きで、手作りにこだわるオーナー自身が日々店舗に立ち続けていることです。冷凍生地や加工品に大きく依存せず、自ら仕込み、焼き上げることで、原価を自分の感覚でコントロールすることができます。加工品に頼れば一見楽に見えますが、原価は下がりにくく、他店との差別化も難しくなり、結果として価格競争に巻き込まれやすくなります。

オーナー自身が現場に立つことは、人件費の面でも大きな意味を持ちます。すべてをスタッフ任せにせず、オーナーが戦力として働くことで、必要以上に人を増やさず、無理のない人数で店を回すことができます。これは単なる節約ではなく、「自分の店を自分で支える」という姿勢そのものです。結果として、人件費が膨らみすぎず、固定費全体を適正な水準に保つことにつながります。さらに、オーナーが店頭に立つことで、お客様との距離が近くなります。「このパンが好き」「夕方に惣菜パンがあると助かる」「もう少し小さいサイズがほしい」といった声を直接聞き、その声を翌日の仕込みや商品構成に反映することができます。この積み重ねが、「この店は自分たちのことを分かってくれている」という信頼を生み、価格だけで比較されない関係を築いていきます。

 

 

帝国データバンクのレポートでも、今後のベーカリー業界では「ベーカリーカフェ」など付加価値を高める業態への進化や、地域密着型・コンセプト特化型の店舗が重要になると指摘されています。

リライブの卒業生の多くは、まさにこの流れに沿い、パンを売るだけでなく、「人」「空間」「ストーリー」を含めた価値を提供する店づくりを実践しています。

その結果として、リライブフードアカデミーの卒業生は、開業後3年の継続率が90~95%という高い水準を維持しており、さらに特徴的なのは、5年継続率もほぼ同水準で推移している点です。これは、コメ不足や一時的なパン需要の増加といった外部要因に依存するのではなく、原価・人件費・家賃といった厳しい条件下でも「続けられる形」を作れていることの表れだといえます。

ベーカリー業界はいま、確かに厳しいコスト環境にあります。しかし同時に、パン食の広がりや価値の多様化という追い風も吹いています。この時流を一過性のチャンスで終わらせず、長く続く経営につなげられるかどうか。その分かれ道にあるのが、「オーナー自身が店に立ち、楽しみながらパン屋を続ける」という姿勢です。

パン屋を「一時的な挑戦」で終わらせず、「人生の仕事」として続けていきたいと考える方にとって、リライブ卒業生の歩みは、今の時代を読み解くひとつの現実的な答えだといえるでしょう。

※本コラムは、帝国データバンク公表資料(「『パン屋』の倒産動向(2025年1–10月)」等)に掲載の統計・公開情報を参照し、リライブフードアカデミーが独自に要約・再編集したものです(図表・文章の転載は行っておりません)。

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